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【夏の自由研究】ボードゲームのフレーバー、次はこれが流行る!?

フレーバー【flavor】

1.食べ物や飲み物などを口に入れたときに感じる風味、香り

2.転じて、ボードゲームでは、ゲームの味付け、プレイヤーのルールの理解度を上げるためなどに使う、世界観やキャラ設定などを指す

「日本文学」と、国内「ボードゲーム」は、流行するテーマの変遷が、符号している!

「次のゲームマーケットのゲーム、何作ろう」と、考えていました。

「アノコロ」にばかり目を向けるのではなく、最新トレンドでゲームを作っても良いかもと思い、ボードゲームのトレンドを調べていました。

その結果、気付いてしまったのです。

符号している!

 「日本文学」と「ボードゲーム」の流行っていくテーマの変遷がっ!!  

今回は「日本文学」と「ボードゲーム」の奇妙な流行の一致を取り上げます。

新しいジャンルが誕生し、進化していく過程は、案外類似するのかもしれません。

今回、たまたま「日本文学」流行のジャンルと、「ボードゲーム」のフレーバーが、結構一致しているのでは、という思いつき、記事を書いてみました。

日本文学研究者と、ボードゲーマーの方の、両方から叱られかねない恐ろしい記事ですが、温かい目で見守ってやってください。

勃興期(文学):「浮雲」二葉亭四迷(1887年)

と、いうことで唐突に始めますが、日本で初めての近代文学、つまり「小説」は二葉亭四迷のこの作品と、言われています。

それまでの文学は「戯作文学」と呼ばれていました。

【違い】

「戯作文学」:ストーリー中心であくまで人間は一面的(悪人はトコトン悪人)

「小説」:より現実に近い多面的な人間が描かれる(悪人にも悪をなす意味がある)

勃興期(ボドゲ):「アクワイア」シド・サクソン(1926年)

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近代ボードゲームの祖をどこに持ってくるか、これは議論を呼びそうです。

熊熊飯店としては、「アクワイア」を押します。

これはホテルチェーンの経済ゲームですね。ホテルを売却、吸収しながら、自分の資産を増やしていく。

従来のボードゲームにもフレーバーはありますが(戦争を盤上に移した「チェス」や「将棋」のように)、記号化されており、具体性が薄いものです。

ところが、この「アクワイア」は株券を購入し、ホテルチェーンを作りと、現実の経済活動に近い行為をプレイヤーに行わせます。

【勃興期の類似点】

文学 :現実に近い人間が描かれる

ボドゲ:現実に近い具体的な行動がプレイ中に行われる

普及期(文学):円本全集(1926年)

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1926年から改造社が刊行を始めた、1冊1円の「現代日本文学全集」をきっかけとして、文学が庶民の手に届くようになりました。こういったお手頃価格の文学全集全般を、当時流行していた「円タク(1円タクシー)」に引っ掛けて、つけられた名前です。

ちなみに、1円は当時の大卒初任給の2%。

現代の4,000円くらいか? 結構しますね。

普及期(ボドゲ):カプコン製「カタン」クラウス・トイバー(2002年)

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「カタンの開拓者たち」は、1995年にコスモス社から発売されました。

ただ、これが日本で一般に普及したのは、「カプコンカタン」と呼ばれる2002年発売の日本ローカライズ版だと思います。

カプコン製ということもあり、パッケージが日本人ウケし易いイラストにデザインされ直し、流通も広く行われていました。

ちなみに、作者も大学時代の友人が、突然この「カプコンカタン」を持ってきて、遊んで「何だこのゲーム!」と興奮した記憶があります。

2003年発刊のボードゲームのムックに、当時カプコン専務取締役で、カタンを流通させようと奮起していた岡本吉起氏のインタビューが掲載されている。

岡本:そう。僕たちがカタンを売るというより、売れ続けていくんですよ、何十年も勝手に。チェスや将棋を売っているメーカーって、すぐに思いつかないでしょ? どこにでもあるし、長らく売られているから。それと同じで、これから数年後の日本にもカタンはある。みんなが遊んでいる。そういう資質を持ったゲームだし、僕たちもそういう仕組みを作っていきますから。

「ボードゲーム天国1」ボードゲーム業界の神サマに訊く より(発行:竹内書店新社)

【普及期の類似点】

文学 :1冊1円ということで、手に取りやすかった

ボドゲ:安心のカプコン製ということで、手に取りやすかった

SF期(小説):「復活の日」小松左京(1964年)

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SF小説がとにかくイケている時期がありました。一時期、三島由紀夫でさえSFを書いていたのです。

もう、それはいま想像できないくらい、一大SF小説ブームの時期です。

SFXを駆使した映画化もだいぶされていました。「日本沈没」が有名ですが、小松左京の作品もたくさん映画になっています。

SF期(ボドゲ):「サイズ―大鎌戦役」ジェレミー・スティグマイアー(2016年)

つい、好きなので「サイズ―大鎌戦役」を持ってきてしまいました。近年のボードゲームにおいて、重量級で話題になったゲームに、SFフレーバーのものが、いくつも見られませんか?

「テラフォーミング・マーズ」

「タイムストーリーズ」

「アナクロニー」

最近だと、「イッツアワンダフルワールド」。

ドイツ年間ゲーム大賞や、エキスパート部門こそとっていませんが、SFテーマが増えています。少し前は、「カルカソンヌ」とか「アグリコラ」とか「宝石の煌き」とか、中世が舞台のものが目立っていたのに。

【SF期の類似点】

・単純に両者SF! というジャンルの類似だけ

トレンディ期(小説):「ノルウェイの森」村上春樹(1987年)

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時代が進むと、だんだんと軽くオシャレなものが好まれるようになります。

村上春樹を「トレンディ」と片づけてしまってはいけないのですが、傍からの印象は「オシャレ」ですよね。

ジャズをかけながら、パスタをゆで、知り合ったばかりのガールフレンドと寝る。やれやれ。

軽く、そして読みやすいそのテイストも、現代において広く受け入れられる長所だと思います。

トレンディ期(ボドゲ):「クアルト」ブレイズ・ミュラー(1991年)

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ボードゲームでオシャレといえば、やはりアブストラクトでしょうか。

そして、この「クアルト」は、オシャレだしゲーム性もシンプルと、ボードゲーム界の村上春樹と言っても過言ではない。(いや、過言でしょうか)

でも、発行年は「サイズ―大鎌戦役」よりも前なんですよね。

だから、ここは、残念ながら文学の流行の順番とは逆転しちゃうんです。

残念!!

でも、ここ1~2年で、急にYouTubeでボードゲームが取り上げられることも増えて、今だからこそオシャレなコンポーネントに目が行くようになった、とも言えませんか。

と、いうことはこの順番なんですよ、やっぱり!(無理やり)

【トレンディ期の類似点】

文学 :内容は軽く、オシャレな日常描写

ボドゲ:ルールは軽く、オシャレなコンポーネント

ミステリ期(小説):「姑獲鳥の夏」京極夏彦(1994年)

SF、トレンディと来て、次はミステリである。

当然この時期までミステリがなかったわけではなく、過去に「本格ミステリ」と呼ばれる時期があって、松本清張などの社会派ミステリを経て、さらに進んで「新本格」というジャンルが流行していた。

初期新本格のジャンルとして、綾辻行人、有栖川有栖などが挙げられますね。

中でも、京極夏彦は妖怪に対する蘊蓄を語りつつ事件を解決していく様が広く受け入れられました。

ミステリ期(ボドゲ):「王府百年」(2017年)

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そして、ミステリでボードゲームとなれば、そう! マーダーミステリーです。

近年、にわかに流行り始めた推理小説のような、謎解きゲーム。

まだまだ数は少ないのですが、今後どのような展開を見せていくのか、楽しみなジャンルですよね。

【ミステリ期の類似点】

またもや、両者ミステリ! というジャンルの類似だけ

このあと、日本文学はどのように進んでいったか(ボードゲームは、今後どのように進化するか)

ここでボードゲームの流れは、現代に追いついてしまいました。

でも、日本文学の方はまだ25年くらい先を歩んでいます。

このあとの流れを見ていくと、もしかすると、ボードゲームの今後の流行のヒントが得られるかもしれない。

と、いうことでこのあとどうなったかを見てみましょう。

1990年:ライトノベルの勃興

・「スレイヤーズ」(神坂一)の刊行が、1990年。マンガと文学の融合により、ライトノベルという新ジャンルが爆誕。

【大胆ボドゲ予想】
近年、ボードゲーム業界でマンガやアニメとのコラボ作品もちらほらあり(例:「ワンピース版ドブル」・「花嫁が多すぎる」・「GUNDAM THE GAME」など)少し萌芽が見える?

1998年:J-文学という軽い純文学

・90年代後半の阿部和重、町田康、赤坂真理などの若者向けの読みやすい純文学の作品群を「文藝」は、「J-POP」になぞらえて「J-文学」と名付けた。

【大胆ボドゲ予想】
もしかして、一般層向けのライトなゲームがもっと流行るようになる?

2002年:セカイ系のはじまり

・<君>と<僕>という小さな関係性を<世界>と接続してしまう、閉じた自意識の作り出した作品群のことを「セカイ系」という。

【大胆ボドゲ予想】
これは、2人専用の重量級ボードゲームが流行るんじゃないか、もしかして!

2009年:デジタルゲームと新しいSF

・伊藤計劃、円城塔らに代表される振興SF作家は、伝統に裏打ちされつつも、「メタルギアソリッド」の世界観を作品の中に展開させるように、デジタルゲームを作品世界の中に展開させてみせた。

【大胆ボドゲ予想】
デジタルとアナログゲームの融合により、新しいボードゲームが生まれてくるに違いない!!

2017年:異世界転生モノの興隆

・「なろう系」作家を中心に、異世界転生モノが大流行。一大ジャンルに!

【大胆ボドゲ予想】
アナログゲームで異世界転生となれば、VR空間の別の世界でボードゲームが流行るかも!!

説得力はともかく、

こういうの考えるの

楽しいよね

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