
- 人数:1~4人
- 年齢:8歳以上
- 時間:20分
- 制作:ウヴェ・ローゼンベルク、コルネ・ファン・モーセル
- こんな方におすすめ:パズルが好きな方、アブストラクト好きな方、自分ひとりで黙々と作業したい方

わあ。お月様の顔が描いてあって、これはどんなゲームなんですか?
今回のゲームにテーマ性は、殆どない。こういった抽象化されたゲームは、「アブストラクト」と呼ばれとるな。
たとえば、「囲碁」や「将棋」も「アブストラクト」の一種じゃ


「サイズ・大鎌戦役」では、分かりやすくメックが、領地を行き来していましたが、これはそういうゲームじゃないということですね
その通りじゃ。「アブストラクト」は、一見地味じゃが、その分、システムの妙味を楽しめる。
喰わず嫌いせずに楽しんでほしいジャンルじゃな

物語とフレーバー
月は何千年もの長い間、人類の生活に影響を与えています。
新月(ノヴァルナ)は人類の中でずっと、新たなスタートと考えられてきました。すなわち計画を実行に移す絶好のときです。
未来についてじっくり考えるときでもあり、最初の一歩を踏み出すのにふさわしいときでもあります。
「ノヴァルナ」Hobby JAPAN 宣伝サイトより
コンポーネント
月の満ち欠けで時間を表した円形ボード
コンポーネントは、特徴的なドーナツ型の円形のボード、正方形のタイル、プレイヤーカラーごとの木製マーカー。内容としては、結構さっぱりしてます。
アブストラクトゲームなので、テーマ性は希薄ですが、ゲームのデザイン上、月の満ち欠けでプレイヤーの行動順が表されるような作りとなっています。
ちなみに、この月に顔が書いてあるのが、中世ヨーロッパの挿絵みたいで、オシャレですね。

プレイ感
デジタルゲームで例えれば、「ぷよぷよ」の連鎖
円形のボードのくぼみには、正方形のタイルが配置されています。
各プレイヤーは、この円形ボード上の自コマを移動させ、そのマスに設置された正方形のタイルを獲得し、自分の手前に並べていきます。
当然、その並べ方にはルールがあります。
タイルには、4色の石が書いてあります。そして、タイルも同じ4色。
このゲームの目的は、あるタイルに描かれた4色の石と、同じ色のタイルをタテ・横に隣接するように並べることです。
たとえば、あるタイルに青い石が2つ描いてある場合、そのタイルに隣接するように青いタイルを2つ置く。
そうすると得点!!
これだけでは、すごく単純なように聞こえます。
でも、このゲームの白眉なのは、連鎖の要素です。
たとえば、「赤い石が1つ」に描かれた「黄色のタイル」。
(つまり、この隣に赤いタイルが置ければ、得点)
この隣に「赤いタイル」を置きますが、この赤いタイトルに描かれている石が「黄色」だとしましょう。
(つまり、この隣に黄色のタイル」が置ければ、得点)
この場合、こちらのタイルの目的も果たしているために、同時に二個のタイルの目的が果たせたということで、得点できます。
いまのは凄くシンプルな例ですが、実際に遊んでみると、もっと複雑にたくさんのタイルが関わり合って、一気に連鎖で、何個も得点できる瞬間が、あって、「まるで自分は天才じゃないか」と、思えます。
とても快感!!
出来た出来た!! と、思わず見せびらかしたくなります。
デジタルゲームで例えれば、「FINAL FANTASYのATB」
このゲームには、もうひとつの特徴的なシステムがあります。
デジタルゲームの有名作「FINAL FANTASY」には「ATB(アクティブタイムバトル)」というシステムがあります。
戦闘の時間がリアルタイムで流れていて、強い能力の技を使うと、隙が出来てしまい、次の攻撃までに時間がかかるというシステムです。
これと同じように、このゲームでも高得点の可能性のあるタイルを獲得したプレイヤーは、次の手番が回ってくるのに、時間がかかるように出来ています。
月の満ち欠けの描かれた円形ボードを使い、そのシステムが表現されています。
「ぷよぷよ」×「FINAL FANTASYのATB」。
派手さはないけれど、とてもよく出来た小品で、短時間で終わるので、勝っても負けても思わずこう言ってしまいます。
「もう、1回遊びたい!!」