
- 人数:2~5人
- 年齢:10歳以上
- 時間:1時間
- 制作:フリードマン・フリーゼ
- こんな方におすすめ:ビール作りに興味のある方、株式のように相場が変動するゲームを楽しみたい方、高貴なプレイヤー(実際説明書に書かれている)

お。今回はビール作りのゲームですね。ビールなら大好きですよ!
そうじゃな。ただ、ビール作りとはいえ最終的にはどんどんビール作りから離れていく


ビール作りから離れる?
このゲームの真の目的は、ビールを作って儲けたお金で自らの威光を示すモニュメントを作ることが目的なのじゃ


なんか世知辛いですね
そうじゃろ。じゃが、それがきちんとルールにも反映されておる。見ていこう

物語とフレーバー
各プレイヤーは侯爵であり、自領でホップ・大麦・清水を生産します。収穫物はさまざまな醸造所が買い取るのですが、醸造所によって、必要とする収穫物の割合は異なります。こうした醸造所からの売り上げに感謝しつつゲームを進めることによって、各プレイヤーは裕福になり、やがて自分の宮殿の建設計画に着手できるようになります。領地の面積は限られているため、宮殿タイル1枚を建設するごとに、領地の1マスが使用不能となります。
ですからまずは十分な収入を確保し、それからライバルたちの誰よりも早く、宮殿を完成させなくてはなりません。それに成功したプレイヤーこそが"ビール侯爵”の称号を勝ち得るのです。
「ビール侯爵」説明書より
コンポーネント
これぞ! 伝統のドイツゲームテイスト。木製の生産トークンの数々!!
ドイツボードゲームといえば、やっぱり木製コマ。
と、いうことでこのゲームは、ビールを作るための生産物のトークン(ホップ、大麦、清水)が個別にオリジナルの木製トークンで出来ています。
25個×3種類あるので、生産物トークンだけでも75個。
あとは、コインを模した木製トークンも60枚。
伝統的なドイツボードゲームのコンポーネントが大量に入っていて、おしゃれです。

ボードは、全プレイヤーが共通で使用する、5種類の醸造所が書かれた大型ボードが1枚。
それと、プレイヤーに1枚ずつ配られる個別の領地ボードがあります。

プレイ感
とにかく生産数も売上も拡大していくのが楽しい。でも、それだけを追っていても、勝てないぞ!
プレイヤーは、それぞれの領地から生産される生産物を醸造所に販売し、お金を得ます。
最初は1ターンにつき、ひとつずつしか生産ができなかった生産物も、毎ターン獲得できるカードを使用することで農場を拡充して大量に生産できるようになります。
また、生産物を売る際の価格は一定のものではありません。需要と供給のバランスがあり、ある醸造所に同じ生産物ばかりを売却してしまっていると、生産物の買取価格は下がります。
逆に、売却をしていないと買取価格は上がります。


ただ、この相場は基本的に上がりやすく出来ているので、毎ターン獲得できる売上はどんどん拡大していきます。これが物凄く気持ちいい!

(黄色と銀の木製トークン)
でも、それだけを追っていても、実は勝てないのです。
このゲームの目的を、もう一度思い出してみてください。
このカードをいま使うか、それとも先延ばしにするか、タイミングを読むことこそが重要なゲーム
このゲームの目的は、売上を伸ばすことではありません。
得たお金で自分の領地に、宮殿や、銅像を建設することです。
建設のしかたですが、いつでもできるわけではありません。
次の2つの条件を満たしていなければなりません。
1.お金を持っている(これは当たり前ですね)
2.手札のカードの中に宮殿カードがある
説明していませんでしたが、このゲーム、毎ターンそれぞれのプレイヤーは、自分の山札からカードを引きます。あくまで自分の山札です。
そう! 全員のプレイヤーは、それぞれ同じカード構成の山札をもっています。でも、よくシャッフルした山札なので、何のカードが次に出るかは、ひとそれぞれ。
宮殿カードを手札として引いた時に、いま、建てるのか、それとも先延ばしにするのか、タイミングを読む必要が出てきます。
なお、宮殿建設すると、自分の領地を削ることになります。そのため生産性が落ちてしまいます。
せっかく、生産が拡大してるのに、生産性を落とさなきゃいけないの!? って残念になるかもしれませんが、そういうゲームなので仕方がありません。

なんと生産性ゼロ。公爵の自己満足のためだけのものなのだ。
なお、このタイミングを見誤ってあまりに早く宮殿を建設し始めると、なかなか2個目の宮殿を立てるお金が貯まらず、大変なことになります。
勝利条件である、6つのモニュメントを建てられるお金を貯めてから、一気に建てるという戦略もありますが、手札に宮殿カードがうまく来るかどうかもありますので、これは悩ましいですね。
悩ましく、でも楽しいゲームになっています!