- 人数:3~5人
- 年齢:10歳以上
- 時間:30分
- 制作:赤瀬よぐ
- こんな方におすすめ:拡大再生産好き・新しいもの好き・スチームパンク好き
目次
物語とフレーバー
蒸気の雲と歯車の楽音に包まれた国、ファクトリア。
ボクは今、天空図書館で太古の技術書を読み漁っている。
急がなくては、ついにオークションに、あの「伝説の歯車(レジェンダリー・ギア)」が並んだんだ。工場を動かし、遺物を発掘し、市場で売りさばき、
技術を開発し、誰よりも早くゴールドを貯めて、必ず手に入れてみせる。何の為にって?
浪漫を買うのさ、それ以上の理由が必要かい?
「ファクトリア」説明書より
コンポーネント
ボードは組み合わせでリプレイ性あり! 歯車トークンは、さすが伝説の逸品!
箱を開けるとまず目にとまるのは「遺物チップ」160枚。このゲームの得点源となる正方形の大切なチップです。結構しっかりとした分厚さだし、クオリティもしっかりしていることから、印刷所によるものかと思いきや、作者によるお手製だというからその大変さに頭が下がります。
(※通常は切り離しのないシート。別料金で「切り離し版」が購入できたので、巧く切り離せる自信のなかった僕は、切り離しをお願いしたのでした。す。すみません。。。その節は、大変お手数をおかけしました!)
そして、フレーバーの中で登場する「伝説の歯車(レジェンダリー・ギア)」を模した「歯車トークン」。え、これどうやって作ったの? ちゃんと彫金してるのかな。すごい!
ボードは、いくつかのシートとカードの組み合わせで作ります。毎回プレイ感が変わる、こういう仕組みは、リプレイ性を生んでお得感が嬉しいですよね。それに大きなボードをつけるより、箱が小さく済むから、収納も楽でありがたい!
このようなシートを組み合わせてボードを作成する。
プレイ感
工場の仕組みを利用して、資源を増やすのだ!
このゲームは、工場の仕組みを使って「遺物」と呼ばれる資源を拡大し、販売することでお金を獲得していくゲームです。
「工場の仕組み」という言い方をしましたが、「工場シート」には、変換の仕組みが描かれています。
例えば、
・「遺物A」を消費すれば、「遺物B」を獲得できる
・「遺物B」を保有している時「遺物A」を消費すれば、
「遺物C」が獲得できる。
仕組みの描かれた工場シート
それぞれの工場シートには、異なる「仕組み」が書かれています。
プレイヤーは、それぞれ4種類のうち、1種類の工場を稼働することになります。
工場を皆で成長させていく、仕組みを共有する不思議な拡大再生産
さて、このゲームは「拡大再生産」というジャンルに当てはまります。
一時的に資源を消費して、よりたくさんの資源を獲得(再生産)するゲームのことです。
プレイヤーごとに自分の仕組みを改良し、より効率的な仕組みを作れたプレイヤーが勝利! というのが、このジャンルの一般的なシステムです。
なので、個人ボード上の仕組みを改良していくのが常道なのですが、本作の特色は、仕組みを皆で共有し、それを皆で改良していくということです。
そんなことしたら、他のひとはタダ乗りできて、改良するひとだけが損しちゃうんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、本作では改良すると工場が1度、無料で使えるので、それがインセンティブとなっています。
また、改良というのは、工場で指定している工場稼働時に使用する「遺物」や獲得できる「遺物」を変更することを言います。これを自分が欲しい「遺物」の種類に変更することで、プレイヤーは有利にゲームを進めることが出来るようになるのです。
これらのロジックで、本作は、「共通の場を改良する拡大再生産」という独特なシステムを実現しています。
もともとあった「遺物チップ」を書き換えて、工場を改良しよう!
ほかにもこんなカードも。 箱の裏面。
同じ作者の別のゲーム
「FACTORIA」は、このように面白いゲームなのですが、個人制作の常で安定的な供給は、やはり難しく、既に絶版となってしまっています。
そこで、同じ作者の別のゲームで、比較的入手しやすいものを、ご紹介しておきましょう。
グラバー
作者の赤瀬よぐ氏は、長崎の方なのですが、長崎の偉人グラバーをテーマにしたゲームを制作しています。
こちらのゲームは、幕末の長崎を舞台にしたゲームです。
グラバーというだけあって、商人として交易品を交換がメインですね。
「第2回東京ドイツゲーム賞」の大賞受賞作です。
ほうき世界のアレアとイアラ 1 (MFC)
あれ? 漫画??
そうなんです。赤瀬よぐ氏は漫画家さんです。
ボードゲーム通な方は、よくご存じかもしれませんが、
老舗ボードゲームサイト「Table Games in the World」さんでもボードゲーム4コマを連載されています。
聞けば、この「ほうき世界のアレアとイアラ」。今後、個人的にボードゲーム化することも考え、世界観を作っているのだとか。どんなボードゲームになるのかを想像しながら読んでみるのも一興ですね。