
1. 概要
「大鎌戦役 フェンリス襲来」(Scythe: The Rise of Fenris)は、2018年に発売した「大鎌戦役」の拡張セットの一つで、デザイナーはオリジナル版と同じジェイミー・ステグマイアー(Jamey Stegmaier)。
ストーリードリブンのキャンペーン形式を導入し、ボードゲームの枠を超えた物語性と戦略性が融合した作品です。
本作は、オリジナル版「大鎌戦役」で培われたゲームとアメリカンゲームのハイブリッドなデザインをさらに進化させています。世界観としては、第一次世界大戦後の架空の東ヨーロッパを舞台とし、機械化された労働力と軍事力が支配するポストアポカリプス的な設定が特徴である。
この拡張セットは、特に戦略ゲームが好きな中級者以上のプレイヤー層に人気があり、ソロプレイや協力プレイにも対応しているため、ニーズに応えています。
2. 基本ルールと特徴

「フェンリス襲来」は、8つのエピソードからなるキャンペーン形式を採用しており、それぞれのエピソードが物語に沿ったルールや新しい内容を導入しています。以下が主な特徴です。
- プレイ人数:1〜5人(拡張セットを追加併用すると最大7人まで対応)
- 希望時間:1話あたり60〜90分
- ゲームの目的:ストーリーを踏まえながら、資源管理戦略的な行動で勝利点や収益を得る。
各エピソードは独立してプレイすることもできますが、キャンペーンとして連続的に進んでいきますので、ストーリーが進み、プレイヤーが選択した結果が後のエピソードに影響を考慮して設計されました。モジュールが多数追加されており、以下のような魅力的な要素が含まれています。
- 協力モード:特定のエピソードでは、他のプレイヤーと協力してプレイする要素が登場。
- 秘密コンポーネント:開いた時の驚きが楽しめる「レガシー」の要素。
- カスタマイズ性: 一部のルールやコンポーネントは、キャンペーン終了後も他のゲームで使用可能です。
これにより、リプレイ性が高く、オリジナルの「大鎌戦役」を持っているプレイヤーにとって新たな体験を提供します。
3. 発売当時の反響

特にストーリードリブンの要素が、従来のユーロゲームには少ない「没入感」をもたらした点が注目されています。
また、「大鎌戦役」自体がすでにボードゲームの名作とされていたため、この拡張セットはその期待に応える形で成功を収めました。 多くのレビューでは、ゲームプレイの選択がさらに増す協力プレイの導入は、新たなファン層を呼び込み、ゲーム全体の販売を後押ししました。
4. 拡張セットの紹介
「フェンリス襲来」は、他の拡張セット比べても、物語に特化しています。
- 風に舞う策謀:飛行ユニットを追加し、戦略の幅を広げたセット。
- 彼方からの侵攻:新たな国家を追加し、リプレイ性を向上。
これらを利用することで、さらに多様なゲーム体験が可能になります。「フェンリス襲来」は、特にキャンペーンモードを楽しみたいプレイヤーにおすすめです。
5. デメリットの感想やレビュー
実際に「フェンリス襲来」をプレイした際、まず驚いたのはストーリーの練り込み具合です。コンポーネントを開くたびに新鮮な驚きがあり、グループ全体で盛り上がる要素が多いです。
とりあえず、ゲーム全体の複雑さが増すため、初めて「大鎌戦役」をプレイする人には少し敷居が高いかもしれない。そのため、基本セットである程度のルールに慣れた後に挑戦するのが良いだろう。
特におすすめなの、協力プレイモードです。 通常の「大鎌戦役」では敵対することが多いプレイヤー同士が協力することで、新たな戦略やコミュニケーションが生まれ、ゲーム体験を一歩変えました。
6. 普遍的な価値
「フェンリス襲来」は、拡張セットの枠を超え、ボードゲーム界全体に新たな基準を示しました。 特に、ストーリーと戦略の融合や、プレイヤー同士の協力要素は、後の多くのゲームデザインに影響を与えています。
また、物語性の強いゲームながら、カスタマイズ性が高いため、一度のプレイで終わらない持続的な魅力を持っています。
7. 総評
「フェンリス襲来」は、「大鎌戦役」をさらに深く楽しみたいプレイヤーにとって必須の拡張セットです。その物語性、カスタマイズ性、協力プレイの新要素は、ゲーム全体の体験を一段と豊かにします。
- 総合評価:★★★★☆(4.5/5)
- おすすめ対象:ストーリー性のあるゲームが好きな中級〜上級者、協力プレイを楽しみたいグループ。
まず「大鎌戦役」をプレイする場合は、基本セットでしっかりとルールを習得し、次は「フェンリス襲来」に進むことをおすすめします。この拡張セットは、ゲームへの深い理解と新たな挑戦をすべてのプレイヤーに提供してくれるでしょう!